書家

瀬野大輔 DAISUKE SENO
 

古代中国に端を発し、発展を遂げていった漢字文化と「書」
その長い歴史の中で、「書」は実用性と美術性という、二つの要素を見出され現在がある。
世の中のすべてのモノは陰と陽があるからこそ成り立っており、その二つの要素が共に強く響きあってこそ一つのモノはより輝きを増す、と私は考える。
「虚実」もその一つ。
書でいう「虚」とは余白のことだと考えている。
この「虚」である余白の美は、「実」である線の質や響きと、その線の集合体である文字造形や、瞬間的な呼吸により、結果映像として生み出される「美」であると考える。
文字や言葉、そして書法は先達が遺して下さった「知恵」と「思考」の財産である。
その財産を紐解き深く学ぶ事で、そこにただ留まるのではなく古の時代から、現代、先の時代へと繋ぎ紡いでいく事の出来る「新しい価値」を求め書作活動をしていきたいと考えている。

略歴・受賞歴
1980 京都に生まれる。祖母・久保田琴嶺の影響により1歳より筆を持ち始める。
2001 書塾 翔永会 主宰
2008 「第四十回 日展」 入選
2010 「2010京展」京展賞受賞
公募展から自身の書作展に活動の場を移す
2011  嶋臺ギャラリーにて久保田琴嶺との「二人展」開催。
2012 東京銀座・京都御幸町にて個展開催
2013東京表参道、京都御幸町にて個展を開催。
2014 鎌倉・臨済宗建長寺派大本山 建長寺 にて個展開催。
2015 マガジンハウス 「an・an」品のある女。特集内に書家紹介で掲載。
2017 岐阜県恵那市岩村町にて江戸時代の儒学者 佐藤一齋の随想録 言志四録をテーマに「言志四録の気韻」個展開催。